2015年4月25日放送 『新井英一の世界vol.310』…ヴィソツキーとパリの男たち

 皆様にまずはお知らせです、ちょうど葵祭りの日ですね、5月15日金曜日、御幸町三条のカフェアンデパンダンにて、新井英一ライブが開催されます。毎年この時期、春の恒例となった新井英一アンデパンダンライブですが、早いもので、今年でもう5年目になるそうです。面白いことに、今から17年前、偶然にも私、カフェアンデパンダンの隣に住んでいたんです。正確に申しますと、私の家の隣に、カフェアンデパンダンがオープンしたんです。以来、夜になるとほぼ真っ暗で静かだった御幸町三条が、遅くまで灯る黄色い灯りに、そこから聞こえる様々な音楽、そしてファッショナブルな人々が行き交う人気の界隈になりました。その杮落しが新井英一ライブだったとずいぶん後で知って、「私、隣にいたのに!」と悔しがったことを今もよく思い出します(笑)。ライブはGWが明けたら、一気に席が埋まってしまいますので、ご検討されている方は早めのご予約をおススメします。

 では、本日も前回に続き、今月行ったばかりの金沢からお送りします。この夜のライブは、『ヴィソツキーとパリの男たち』というタイトルがついていました。どういう意味かと申しますと、先週お送りした、ゲンスブールやジャック・ブレルに、ジョルジュ・ムスタキ、そして、本日お送りする、ウラジミール・ヴィソツキーなど、クセの、非常に強い面々を一人で唄い分けるという、考えてみれば、歌い手にとっては、そうたやすくはないワザが必要であり、よってファンには、垂涎のライブだったんです。特にヴィソツキーのカバーは、多くの柱を持つ新井英一の中でも、とても太い柱のひとつであると思います。

 歌に行く前に、ヴィソツキーを簡単に紹介しておきますね。1980年に・既に42歳の若さで亡くなっているヴィソツキーですが、死後35年経った今も、彼を支持する人が世界中に絶えないロシアの英雄です。はむかうことなど許されなかったソ連政府に、たった一人、自作の唄で立ち向かい、同時に、物言えぬ国民を勇気づけた人です。亡くなった時、彼の葬儀には20万人とも言われる国民が駆けつけたそうですから、ヴィソツキーがいかに多くの人々の心を支えていたかはご想像つくかと思います。金沢で唄われたヴィソツキー、初めて生で聴く曲もあり、感激の一夜となりました。同じ曲目を皆様にお届け致します。本日は3曲続けて参ります、唄・新井英一、『こうのとり』、『オオカミ狩り』、最後に『無名戦士の墓』をお聴き下さい。

今週の曲紹介
こうのとり
『オオカミ狩り』
『無名戦士の墓』 (いずれもアルバム「オオカミ狩り」より)

放送時間17分

『新井英一の世界vol.310』の再放送は、4月27日(月)午後3時〜、4月28日(火)夕方6時30分〜です。