さ、最終回!?カーヴ・ド・エビナ&『ティアレ』主催・ワイン試飲会・・・プロヴァンス地方

 ここ最近、人に会うたびに「痩せたねぇ!」と言われる私( ̄+▽ ̄)、へへへ、そうですかねぇ〜、そう言えば洋服がゆるくなってきてます。「ダイエット!!」と決断すれば、ハリキリ過ぎて2週間しか持たない。ようやく私も自分のことが段々分かってきて、そうか、ハリきるから続かないんだ・・・自分の傾向・特色を利用することを思い付きました。私の大きな特徴のひとつは「すぐに忘れる」というところであって、これを利用すればいいんだわ。毎晩家で呑んでいたお酒を忘れることにしたんです。私はお酒が大好きですが、なければないで全くどうってことないんです。家では呑まない、外で飲む、その時は思いっきり飲む、気が済むまで呑んでやる!・・・そう決めたのに、ここ数ヶ月、その機会がほとんどなく、だから自然に痩せたようです。あ〜、外での食事、久しぶりだなァ〜、しかもお酒がテーマ♪涙が出るほど嬉しいや (/ヘ ̄、)・・・

 『第37回京都弁護士協同組合ワイン会』。私を知らない人でも私をひと目見れば、弁護士であり得ないこと、お分かりになるでしょう。今回ももぐりこませていただきました。誰もまだ来てません。お腹空いた、喉渇いた〜〜・・・ひもじい思いで用意されたパンフレットを丁寧に見ながら、皆を待ち侘びてる時間。

みんな揃った!お食事タイムが始まりました♪まずはオルドヴルの『かにのテリーヌ』。赤いのはトマトのソースです。うまく作ってありました。かにの味を邪魔しない、ほどよい酸味に爽やかさをおぼえ、ソースの粒子がとても細かくしてあり、初夏の夕暮れのオルドヴルにぴったり。橋本シェフの神経の細やかさに感激しました。

この「かにのテリーヌ」に合わせた、まず本日第1番目のワインは、ブリュット(スパークリング)『クレレット・ディー』。産地はローヌ地方で、シャンパン方式の製造だそうです。なるほど確かに口に含むと細かな泡が広がり、繊細さを感じます。香りがマスカットを思わせた通り、少し甘めのこのスパークリング、私、とても気に入りました!

『そら豆と松の実の冷製ポタージュ』。毎回思うことですが、ここ「ティアレ」のスープは優れている。味わい深くて濃厚、量もしっかりあるのですが、お腹をふさぐことはないどころか、次への料理がさらに待ち遠しくなる。

ワイン、変わりました。『Domaine Ott '09 Blanc de Blancs(ドメーヌ・オット ブラン・ド・ブラン2009)』。名前の通り、白ワインです。海老名氏が「皆さん、このワイン、前にも飲んだことあるでしょう?」・・・・え?そうだった?・・・。ボトルを見せられて「ああ!あるある!」・・・海老名さんはご存知の通り、「○○の料理に合うワインは?」など、京都の一流料亭などから様々な難問を出されて、長年それに見事応えられてきました。ワイン辞典はあっても答えなんか書いてあるわけがない。「そんなもん、どうやって探すの」と素朴な私の質問に海老名さんが返した言葉を思い出しました。「ワインは記憶力」。海老名さんご自身が膨大なワインリストなんですね。過去飲んだワインが海老名さんの頭脳に細かく繊細にインプットしてあるのです。当然ボトルの形状を指してるのではなく、味の記憶ですよ、ひえっ。この「オット」というメーカーのボトルには特徴があります。安定感がありますでしょ?これはヨットでセーリングをすることが多い南仏の習慣に合わせて作ってあるそうです。私はそんな洒落た生活には縁がありませんが、いかにワインがそれぞれの土地に根付いてるかを思うと、余計「あ〜、いいなぁ〜♪」。非常にキレのある白ワインです。 

次に出てきたのは、これまたオットの今度はロゼ。『'10 Bandol Ch.Romassan(バンドル・シャトー・ロマサン2010)』。このロゼの色、特徴あると思いませんか?ピンクというよりは、オレンジ色に近い。さてさて、これと共にいただくお料理は・・・

ジャジャ〜ン、『オマール海老のロースト オレンジのブール・ブランソース』!いい食材が手に入ったからと「ティアレ」さん、急遽予定変更してくれたそうです。まるで私の久しぶりの外食を歓迎するかのごとく(笑)、贅沢な予定変更でした。身は甘く、味噌は濃厚・・・あ〜、美味しい・・・ゆっくり噛んで飲み込んでから、ロゼをひと口いただきます。なんとも言えない至福が・・・。これ、決して同時にしてはなりません、食べ物がまだ口の中にある時にワインを口中に注いではなりません。味も香りも分かりませんからね。オマール海老はどの部位にもしっかり身が入っておりまして、食べ応えありました。

スープに合わせたオットの白、まだ持っておりました(向かいに座っていた海老名さんが私にどんどん注いでくれたもので、他の人よりリッチでした・笑)。こうやると色の違い、とてもよく分かりますでしょ?オマール海老にはロゼの方が確かにとっても合いますが、白は白で悪くはありませんでした。いずれにしても、どちらもキレのある辛口です。「南仏は暑いからロゼも白もさっぱりしたキレがある」らしいです。飲み比べて納得致しました。

お肉料理は、私の大好きな豚です。肉の中で豚が一番好きなのです。羊もだぁ〜い好きですが、そうしょっちゅうは食べませんからね、私にとって肉といえば何をおいても豚なんです。『ポークのロティ 香草風味』。豚は養老豚、香草はタプナードソース。お肉の上には、フランスのジロール茸のソーテがのっけてあります。アハハ!なんて美味しい豚なんでしょう。笑いが止まりません。

料理のお供は『Chateau de Pibarnon '05Bandol(シャトー・ド・ピバルノン バンドール2005)』。ひと口いただいて、これって・・・なるほど、ホントにそうだわ・・・。ワインの説明を確かめたんです。まさしくそこに書いてある通り、「カシスなどの黒い果実、スミレ、甘草、焦げ臭や胡椒などのスパイスの凝縮したアロマは熟成とともに、葉巻、なめし皮、トリュフや森の腐葉土の香りを伴う」お味です(笑)。こういうワインを飲んだ時って、本当にワインは料理と共にいただくものだと再確認致します。私が惜しんで食べてるの分かりますか?(笑)

これも下に白いナプキンを敷いて写せば良かった。綺麗なルビー色です。惜しんで飲んでます。

あ〜、完食してしまったぁ〜。満足と嘆きが両方やって来ました。「ティアレ」の子羊のローストと、ポークのロースト、本気でオススメです。その時はぜひ、ぴったり合うワインをシェフにお問い合わせ下さいネ。

デザートタイム。まだ入る〜〜♪ココナッツのプリン(状?)、フロランタン(アーモンドの薄焼きのお菓子)、チョコレートのタルト、赤すぐりのシャーベット。実は、皆を待ちながらワインリストを眺めている時、デザートワインに目が釘付けになっておりました。なんと!1939年のワインが!!! 名前は『AC.Maury 1939Maury(アーセー・モーリー1939モーリィ)』。チョコレートのタルトに合います。ここ数ヶ月、家では呑まないと冒頭に書きましたが、どうしても呑みたい時だけちょっとだけ飲んでます。その時はちびりちびりと舐めるように飲む10年もののマデラに決めてる。チョコレートにも似た甘さでウットリするぐらい美味しいんです。濃厚だから、ちょびっとだけ口中に注いで、舌と鼻で味わった後、ゆっくり飲み込みます。この1939年のモーリィは、そのマデラよりももっと透明感があって、何よりもその透明感に驚きました。もっとドロッとしたイメージを持ってましたからね。海老名氏曰く「保存状態だ」とのこと。値段はマデラよりも倍以上高いですが、むちゃくちゃ高いわけではありません、15750円。先日飲み切ったマデラ、せっかくだから今回だけモーリィに変えることにしました。

実は今回で長年続いた海老名氏のワイン試飲会、終わりなんですって。体調がすぐれないというのがその理由。確かにネ、飲んで食べるだけの私達は労力なんて不要ですが、準備される方は大変だと思います。私含めて一同ショックがってましたが、ま、別にお店は普通に営業されてるし、またその気になったら不定期でも試飲会やるとおっしゃってたし、しばしゆっくり身体を休めて欲しいと思います。お疲れ様でした!有難う!!!

・・・・いつもなら、試飲会が終わったら、千鳥足で自宅に帰る私ですが、この夜は違いました。向かったのは京都駅。これから夜行バスに乗って、愛媛県の松山に行かなければならないんです。翌朝10時半のアポイント・・・見栄張って「飛行機で行きます」なんて言ったものの、大の飛行機嫌いの私・・・怖いよぉ、まだ死にたくないよぉ(来週、新井英一のライブだし・笑)・・・いろいろ手段を探した挙句、見つけたのは夜行バス。眠れるかなぁ、辛抱できるかなァと不安ですが、飛行機に乗るよりずっとマシです。「行ってらっしゃ〜い!」と皆さん、笑顔で見送ってくれましたが、ほろ酔いで出張に出るのは生まれて初めて。いや、それより何より、こんな最高の気分の夜は仕事なんか忘れて家でゆっくりしたいですよ、トホホ。