2016年4月16日放送 『新井英一の世界vol.354』

 
  お天気が少々悪くても、気温はもう安定に入ったのではないでしょうか。曇り空の下、寒さに縮こまるみじめさはもう沢山ですね。毎年この時期、桜がみごと満開になったところに雨が必ず降りますよね。全然降らない日はいくらだってあるというのに、咲いた途端、待ってましたとばかり降るんですから、意地悪と言うか不思議です。桜と雨って、最悪のコンビなのか、それとも最上なのか、桜はどう思っているんでしょうか(笑)。いずれにしても、すぐに散るとわかってなお咲く桜、もし人間だったとしたら、可憐な姿とは裏腹にさぞや豪傑だったろうなと、ひとり空想しております。

 それはそうと、皆様にお知らせです、恒例の新井英一5月の京都ライブが今年も開催されます。日にちはGW明けの5月13日。場所は、御幸町三条角の『カフェアンデパンダン』です。今回のライブのテーマは、『唄のつれづれ、5月の恋と旅の歌―』。もちろん、新井英一がつけたタイトルです。私、毎回、このアンデパンダンライブのタイトルをとても楽しみにしているんです。これだけで結構夢が見られると言いますか(笑)、タイトルによって、今まで聴いた唄の中から、あれ唄うかな〜、そろそろ聴きたいなぁ〜、自分の記憶を引っぱり出す作業ってなかなか楽しいものです。とは言え、何を唄うかより、どう唄うかが私の本当の興味のところで、こればかりは想像がつきません。ライブを待つのみ。日にちは5月13日、幸せな金曜日です♪

 では、番組後半に入ります。日本全国、時には海を渡ってライブを行う新井英一にとって、唄うことと旅することは切っても切れない関係にあります。ということは、ファンも唄を追いながら、新井英一と共に、津々浦々旅する機会に恵まれているということです(笑)。ファンになっていなければ、おそらく、いるはずのない土地、知り合うはずのない人々、するはずのない体験…。ただ一人の歌手を好きになっただけなのに、気がついたら、私を囲む環境がとても豊かになっていました。

 旅はまた唄の中でも出来ます。唄にぼんやり耳を傾けていると、「これ、ライブでは違うバージョンで唄っていたなぁ…そう言えば…」、記憶は独走し、すっかり忘れていた小さなことまで次々と浮き上がらせます。いつかこの唄声が、ラジオから流れてくると思ったのも、この唄を聴いていた時でした。今から15年前、初めて行ったライブで初めて買ったCD。帰って真っ先ドキドキしながらかけました。聞こえてきた唄声が、当時住んでいた四角い箱の白い部屋、その隅々までしみ渡っていくように感じたものです。想い出深い1曲を、本日もエンディングなしでじっくりお楽しみ下さい。ギター・高橋望。唄・新井英一。曲は、『サマータイム』。次週もまたお会いしましょう、マサミがお送り致しました。

今週の曲紹介
『遠くへ行きたい』 (アルバム「オールドファッション・ラヴソング」より)
サマータイム』 (アルバム「ライブ・イン・ジャパン」より)

放送時間20分

『新井英一の世界vol.354』の再放送は、4月18日午後3時〜、4月19日(火)夕方6時15分〜です。