2015年11月28日放送 『新井英一の世界vol.334』・・・『エイジアン・ブルー』特別上映会のお知らせ

 寒いですねぇ、四六時中熱いお風呂が恋しいほどです。夜なんか起きていても寒いだけと、早くベッドに入るんですが、当然その分、朝も早くなって、まるで夜と朝の追いかけっこのような生活です。健康的でいいじゃないと言われますが、自分では世間からどんどん遠ざかるようで、どうだかなぁ…夜型の方に夜を楽しむコツを教えてもらいたいところです(笑)。

 さて、今日は、映画の上映会のご案内です。音楽でピンと来た方、そう、『エイジアン・ブルー』ですね、「浮島丸サコン」と言えばおわかりの方も多いでしょう。今年は戦後70年ということで、トークショー付きの特別上映会が立命館で開催されます。まず、日と場所を申し上げますね。12月6日日曜日、場所はお間違えないように、立命館大学でも衣笠ではなく、JR二条駅そばの、「朱雀キャンパス」にて行われます。千本三条の角にレンガ造りの大きな建物ございますよね、あれが朱雀キャンパスで、そこの4階で映画は上映されます。午後1時半開場、2時開始です。

 『エイジアン・ブルー』は、戦後50年を迎えた1995年発表といいますから、もう20年になるんですね。その間、この映画は忘れ去られることなく、私の行動範囲だけでも、あちこちで定期的に、人々の口にのぼっていました。専門家でも何でもない、ごく普通の人達がごく普通に話題にしているんです。あまりに耳にするので、当時タイトルしか知らなかった私は「知らなくちゃいけない」と、慌ててDVDを見たわけですが、白紙かつ素直な気持ちで見ていただけに、ショックは相当大きかったです。それから何年も経ち、あの時の衝撃が薄れていくのと入れ替るように、今度は映画の前半が色濃く浮かぶようになりました。映画の前半、私、日本人と韓国人の見分けが全くつかず、何がどうなってるのか、必死でストーリーを追っていたんです。ようやく話がわかり始めると、そんなことはすっかり忘れていましたが、今になって思い出すのは不思議と、その前半なんです。血は同じはずなのに…、国が間違っている場合どうしたらいいんだろう…、数年ぶりに映画を観て考えたいと思います。お時間のある方、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

 音楽に少し触れますと、冒頭で流したのは、映画『エイジアン・ブルー』から『プロローグ』という曲です。作曲と演奏はポルトガルギターマンドリンのデュオ『マリオネット』。私、彼らのコンサートに何度か行ったことがあります、演目の大半はオリジナルで、エキゾチックで素敵な曲のオンパレード!、大好きです。『エイジアン・ブルー』も生で聴きました。音符の上がり下がりが激しい他の曲とは明らかに違って、何て言うか、地球の時間がピタッと止まった中、ある一点だけが動いているような(?)、そんなイメージを描いたこと覚えています。せっかくですので、もう少し聴いていただきましょうネ。『エイジアン・ブルー/東方コネクション』から、一部です。

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 ファンの中でも、この映画で新井英一を知ったという人、とても多いです。私なんか逆に、あんな短いシーンで「これだ!」と感じた彼らの感性こそ、スゴイなと感心するんですけどネ。新井英一がこの映画に出る運びとなったのは、先ほどの『マリオネット』の片方、湯浅隆さんが映画のデモテープの中に、新井英一の曲をこっそりしのばせて関係者に渡したいきさつがあったそうです。それを聞いた監督さんかどなたか、「いいじゃないか、そのままシーンにしよう」となったんでしょう、撮影場所は、京都・拾得です。拾得は、今も当時のままだから、つい昨日のような感覚なんでしょうね、「ファンに集まってもらって、いつも通りライブをやってから撮影に入った」「映っていないけど、ここに(宇崎)竜童さんがいたんだ」、繰り返し何度も聞いてきたおかげで、私も撮影に立ち会ったような錯覚に陥っております(笑)。そう言えば、新井英一もこの曲を世に出して、今年が20年の節目だと言っていました。映画をご覧になった方はシーンを思い出しながらお聴き下さい。では今週の曲に参ります、作詞作曲・唄、新井英一。『清河への道』をどうぞ。


今週の曲紹介
『プロローグ』/エイジアン・ブルーVariation1.)
『エイジアン・ブルー/東方コネクション1995』(演奏Marionette アルバム「エイジアン・ブルー浮島丸サコン」より)
『清河への道』 (アルバム「果てなき航路」より)

放送時間17分

上映会は有料です。
問い合わせ先:立命館大学コリア研究センターTEL075-466-3264

『新井英一の世界vol.334』の再放送は、11月30日(月)午後3時〜、12月1日(火)夕方6時15分〜です。