ソウルにて5・・・バスに乗って『南大門(ナンデムン)』

 今日はソウル3日目です。昨夜、いや今朝ですね、4時まで呑んでいたというのに疲れもせず眠くもなく、このまま起きてても平気だとは思ったものの、やることないから寝ましたが、起きたら10時をすっかり回っておりました。昨日過ごした一日を思い出してたらなんだか胸が一杯で、もう思い残すことなし、一日中このままベッドでゴロゴロしててもいいぐらい幸せ。でも今日はソウル最終日だしなぁ…。そうだ、ロッテ百貨店で豚キムチ買うんだった…。ガイドブックで見た、温めたらオッケーの小さなレトルトパックの豚キムチ。酒のツマミに良し、あと何かもう一品欲しい時の食卓に良し、190円で韓国の味を思い出せるんだから買いでしょ〜。よっこらしょと重い身体を起こして、出掛ける支度に取り掛かりました。


現在午後1時半。ここは南大門大通りです。買い物済ませたらすることなくなってしまった…暇つぶしにお茶してるところです。

ソウルの街、東京の比じゃないと言っていいほど、とにかくカフェが多いです。喫茶店じゃなく、カフェね。私のホテルがある鐘路3街のような全然オシャレじゃない区域でもカフェの看板がやたら目立ちます。インさんによると、ソウルは今カフェブームだとか。若者だけじゃない、おじさんおばさんも大いに利用しています。

韓国の人って甘い物が好きみたい、男性でもクリームたっぷりのヘビーな飲み物を注文してます。道行く人もカップ片手に、が多いです。「ブラック」の注文の仕方が分からず、誰かがブラックをオーダーするまでじっと待っていました…コーヒーは「コピ」だけど、メニューはほとんどコピですから、なんかひと言、適確な言葉を知りたかった…何てことはない、「アメリカンブラック」でしたが、薄ッ!

ロッテ百貨店の食品売り場で買ったモノ。自分でもすごくくだらないと思うけど、くだらないものを欲しがるのが私なんです(笑)。シソの葉のなんか、うずら卵のなんか、鶏のなんか…イラストが可愛かったので衝動買い。キムチは飛行機に乗ると発酵が一気に進み、全然違う味になってしまうと聞いたのであきらめました。でもやっぱり少しだけと、小さいパックで大根の葉と白菜を。あとは写真にはありませんが牛スープの素を2箱。本来の目的の豚キムチはありませんでした、あのガイドブック、やっぱりアテにならない…。さぁ〜て、これからどうしようかなぁ…何か忘れてなかったっけ、とガイドブックを開けて、しまった!ジャージャー麺食べるの忘れてた!バスにも乗るって決めてたのに…うわっ、南大門も行ってない!!、こんなところでゆっくりしてる場合じゃないワ! 

…ということでバスに乗りました。明洞の地下鉄2番出口すぐそばから、05番が出ている、これは普通の民間バスだけどソウルの主な名所をぐるっと循環するのでおススメと、ガイドブックに書いてあります。観光バスだと1000円ですが、これは95円で乗れるのです。別にどこが見たいわけじゃない、街と人が見たいだけですし、95円で見せてくれるのなら1000円払う必要はないってもんですよね、しかもまた元の場所に戻してくれるんだから申し分ありません。ただ、このガイドブック、(また)ひとつミス発見。05番のバスは地下鉄2番出口じゃないです、3番出口の方ね。ずっと2番出口で待ってたんですが、ここは観光バスの発着所です。どう見ても一般のバス停留所じゃない、変だと思って3番出口の方へ移ったら、ちょうど05番がやってきて乗りました。これからゆっくり市内見物するので後方の席に座りました。

地下鉄もそうですが、アナウンスはソウル駅と特別な観光名所以外はハングルのみです。でも3日経てば、私の耳も少しずつ慣れてきて、自分の目指す地名ぐらいは聞き取れるようになりました。少し蒸し暑い日でしたが、バスの窓は開くので気持ちのいい風が入ってきて、快適この上なし。どんどん人が乗ってきます。

バスは山をどんどん上ります。『国立劇場』を過ぎて、ソウルタワーがよく見える、頂上ではないでしょうが、ほとんど頂上みたいなとこにやってきました。人がすごく多い、ここ、一体どこ?

可愛いでしょ?私のバスは単なる黄色ですが、ここには沢山の観光バスがやってきて、それぞれいろんなデザインが楽しめます。

私のバスからも沢山の人が降りていきます。みんな、何をそんなに急いでるんだろう…

え?なんで、皆、降りるの?ここ、そんなに観光名所なの?…と思ってたら、私まで降りろと言われ、エェーッ!?終点って、ちょ、ちょっと待ってよ、これ循環バスでしょ?なんで!明洞まで戻してくれるんちゃうのーッ!?

あ〜あ、こんな所で降ろされてもなぁ…しかも寒いんですよ。風ビュンビュン。

別に見せてもらいたくないソウルタワー…。とは言え、途方に暮れてるのは私だけではありません。他の沢山の人達も「帰してくれ〜帰してくれ〜」と騒いでいます。あ、黄色いバスが来た!03番です。02番と03番もルートは違うけど同じ循環バスだと、今はもう信用できなくなったガイドブックに書いてありました、ま、これだけは信じてやろう(笑)。バス、ぎゅうぎゅう詰め、それでも根性で押し乗った。

「ソウル駅」で下車。これから南大門に向かいます。ここから近くのはずなんだけど…きっとあれだ。「南大門」だから、てっきり大きな門があるんだと思って、この建物に向かって歩きました。看板見ると、字が違う…。まーね、どう見てもこの立派な建物が屋台食堂とは思えないし(笑)。いくら近いとは言え、足がモーレツに痛いので徒歩はやめにして、早くて近くて確実なメトロを使うことにしました。

すぐ到着した南大門、地下鉄5番出口を出たところです。さ〜て、何食べよう♪

歩き出して間もなく、すごくいい匂いが漂ってきたので、その匂いの元へやってきました。おばちゃん、いろんな種類の野菜と春雨を炒めています。そこへ何か肉らしきものをパパッと切って放り込んだ。すると一段といい匂いが!「アンニョンハセヨ、それ、何ですか?(←日本語です)」「ホルモン」「あ〜!私もそれ食べます、作って下さい」「ホルモン入れる?」「もちろん!」

屋台はみんなハッピーですね♪

飲み物は?と訊かれ「マッコリ」と答えたものの、1本売りでした。この時間で1本はちょっとなぁ、というわけでウーロン茶。「これ、サービス」と出してくれたのはムール貝のスープです。ソウルはスープがどれも美味しい。パリに行ったらムール貝は必ず食べますが、あっちはスープじゃなく貝そのものを食べる料理です。こっちのムール貝はあくまでダシですね、シジミ汁のような味でとてもシンプル。もちろん身もいただきますよ。
小さく見えるかもしれませんが、結構ボリュームあります。ひと口食べると、何この味!匂い以上に美味しいです。夢中で食べてると、作ってくれたおばちゃんが私のとこにやってきて「どお、オイシイ?」、私、料理から離れることができず、食べながら「めっちゃ美味しい、サイコー、すごくマシイッソヨ!」、おばちゃん、腰に手を当て、身体をそり返らせてカッカと笑っていました。

美味しいものって食べると減っていくのが悲しいですね。お代わりしたいとこだけど他の料理も食べたいし、ガマン。古着なのか新品なのかわからないけど服の山、こんなお店が沢山あります。安いですが、欲しいものなしでザンネン。

煮豚専門の屋台。豪快にバンバン切ってます。

お菓子屋さん。つまみながら歩きたいとこですが、1個でお腹ふくれそうなので、これもガマン。

毛皮屋の客引きはスゴかったです。おじさんに手を握りしめられ、それでも行こうとすると身体ごと店内に引っ張られそうになり、私もそこら辺にしがみつきながら抵抗(笑)。

まだ6時というのに、今日は日曜だからでしょうか、屋台以外のお店は早々と店じまいです。日も暮れて段々いい感じになってきましたが、まだしばらく空腹になりそうもないので、割箸に刺したメロンを食べた後、ホテルに帰ることにしました。ホテルの部屋に戻ったのは6時半。少し休んだらお腹も減るだろう、そしたらどっか食べに出ようとベッドに横になりました。…目が覚めたら1時でした、あーッ!!!